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認定規格などに関する推移と関連する話題をを時系列にまとめてみました

  • 大正10年、商工大臣監督のもとに、商工省内に工業品規格統一調査会が設置せられ、各種工業品の規格を決定、日本標準規格”JES"として発表。
  • 大正12年12月21日 放送用私設無線電話規則制定により、一般大衆向けラジオ放送が可能となる
  • 大正13年 社団法人東京放送局設立
  • 大正14年 社団法人大阪放送局、名古屋放送局設立
  • 最初の受信契約者数は 5,455件 聴取料は2円だったが、すぐに1円に値下げ(東京、大阪共)
  • 昭和3年4月末 日本放送協会は認定制度を創始
  1、放送聴取用受信機規格(昭和3年4月30日)
  2、受信真空管規格(同)
  3、受話器規格(昭和3年5月17日)
  4、高声器規格(同)
  5、低周波変圧器規格(同)
  6、エリミネーター付放送聴取用受信機規格
     (昭和3年11月5日)
  7、エリミネーター規格(同)
  8、エリミネーター変圧器規格(同)

その他の話題
  • ラジオ体操の放送を開始
  • 御大典の儀式を初の全国中継にて放送
  • 昭和4年度 日本放送協会認定項目
  1、充電器規格(昭和4年1月15日)
  2、改定受信真空管規格(昭和4年10月4日)
  3、整流真空管規格(同)
  • JOBK大阪放送局が最初のスポーツ実況放送として、甲子園球場から第2回全国中等学校野球大会の実況を放送。
  • 昭和5年度 日本放送協会認定項目
  1、放送聴取用受信機規格(昭和5年3月31日)
  2、エリミネーター付放送聴取用受信機規格(同)
  3、低周波変圧器規格(同)
  • ラジオ展覧会で、高柳式テレビジョンの公開実験成功
  • 昭和6年 の放送局と周波数
  JOAK 東京放送局  470kc 波長345m
  JOBK 大阪放送局  750kc 波長400m
  JOCK 名古屋放送局 810kc 波長370m
  JOFK 広島放送局  850kc 波長353m
  JOGK 熊本放送局  700kc 波長380m
  JOHK 仙台放送局  770kc 波長390m
  JOIK 札幌放送局  820kc 波長361m
  JOJK 金沢放送局  710kc 波長423m
  JOKK 岡山放送局  700kc 波長438.5m
  JOLK 福岡放送局  680kc 波長441.1m
  JONK 長野放送局  635kc 波長472.4m
  JOOK 京都放送局  625kc 波長480m
  JOPK 静岡放送局  778kc 波長385.6m
東京放送局がエリミネーター受信機懸賞募集を実施
一等に東京市神田区の 原 愛次郎 氏
賞金は350円



  • ラジオ年鑑を創刊 (昭和6年版)
  • 昭和7年;認定品のにせものが氾濫
昭和7年3月発行のラジオ年鑑、515ページには以下のような記事が見えます。
”新聞などの広告で、認定品と同一の商品名で型名や番号が認定品とは異なったものが、認定品と一緒に販売されている。又、認定品ではないものが、認定品のごとく表示された商品が出回っている”
  • 昭和8年;新規加入者の95.7%は真空管式で鉱石式は4.3% (昭和9年版ラヂオ年鑑402ページ)
昭和8年中の新規加入数の95.7%は真空管式であり、鉱石式は僅かに4.3%であって前年に比して真空管式に於いて約2%の増加が窺われる。 更に真空管式の中エリミネーター式は94.4%でその大部分を占め、電池式は5.6%であって云々。
  • 昭和9年;認定受信機普及せず 
昭和9年6月発行のラヂオ年鑑P394ページには以下のような記事が見えます。
一般需要家の認定受信機に対する認識不充分のため、認定品の数は相当数あるが、直接需要家の要求する受信機等の認定品が少ないので、この利用十分ならざるは甚だ遺憾である。 一方市場に於ては安価なる粗悪品相当に跳梁して市場品優良化を阻害する情勢なるに鑑み、協会に於ては、本制度の完全なる遂行に勉むるため、之が適当なる運用と周知に今一段の努力を要すると同時に、時の経過に依る実際市場品の推移、製造販売方法の変遷等を考慮し、認定品の目標を品質、性能に重きを置き、実用効果の宣揚を図り、「ラジオ受信機は先ず認定品から」という時代の実現を期し、目下考研中である。
  •  昭和10年 日本ラジオゲージ統制会”を設立
ラジオ製造技術の急速なる進歩、発達は、製品種類の多種多様化を生じ、受信機製作上益々煩雑を招来したるため、ラジオ製造業者から規格統一が必要との提唱あり、ラジオ製造業組合と認定品普及会の共同提案で”日本ラジオゲージ統制会”を設立、その趣旨を関係諸団体に紹介し、「規格統制促進運動」を展開したが、何等具体的な成果は無かった。
  • 昭和10年 認定受信機は、製造者の技量を示す看板的な意味合いが強く云々(昭和10年版ラジオ年鑑268ページ)
認定制度の利用状況; 本制度実施以来の実績を顧るに、製造家側に於いてはこれに関心を有する者が相当にあって、優秀メーカーは殆どこれを利用してきたのである。 その関係上一般製品の規格統制、技術の進歩向上、品質の改善等、大いに促進助長せられたるは勿論なるもラヂオ受信機の標準品位の指針として本制度が良き拍車となったことも見逃してはならない。 一般需要家方面に於いては本制度の周知が行きわたらなかったためか其の利用充分ならず、又製造業者側に於いても積極的に販売する商品にこれを適用すると云うよりも寧ろ単なる業者間の信用上の看板として之を利用する者が多かったため、認定の申請目的も合格のみを主眼とするようになり、材料等も経済的に考慮せず必要以上のものを用ひたため自然認定品は高価となり、一般需要家の購買力を伴はない結果を生ずるに至ったようである。 この結果市場には安価を標榜せる粗悪品が流出し市場品の優良化を阻害することとなり云々。
  • 聴取料を75銭から50銭に値下げ
  • 放送受信契約が200万を突破
  • 昭和11年;認定マークの変更
従来のマークは之を機器に貼付したる場合に商品の美観を損ふ嫌があるとて協会側より之が意匠変への希望があったので云々。
(昭和11年版ラヂオ年鑑158ページ)
協会「マーク」の意匠文字を朱色にて表し、日本放送協会認定及認定番号文字を黒色とし、地色は金色とす。
  • 昭和12年;認定制度が普及
認定機器を歓迎するもの増加し、茲に本制度は完全にその目的使命を遂行し得るに至った。(昭和12年版ラヂオ年鑑178ページ)
年別認定マーク配布状況
  • 昭和9年 ; 18,300
  • 昭和10年 ; 524,100
  • 昭和11年 ; 1,137,900
  • 放送受信契約が300万を突破
  • 昭和13年 
日本放送協会は”放送局型受信機”を制定。東京、大阪、両ラジオ工業組合と共に”ラジオ用品統一促進委員会”を結成
  • 昭和14年 
”ラジオ用品統一促進委員会”の名称を、”ラジオ用品委員会”に変更
  • 放送受信契約が400万を突破
  • テレビジョンの実験放送に成功
  • 昭和15年 ;放送局型受信機の公定価格発表
放送局型一号、三号受信機は、資材不足のため製造不可能に。 
近日中に121号(中電界用)、122号(弱電界用)、123号(微電界用)受信機制定予定であることを発表
第十一号;30円70銭
第百二十二号;42円30銭
第百二十三号;57円60銭
その他の出来事
  • 放送受信契約が500万を突破
  • テレビドラマの実験放送に成功
  • 昭和16年
太平洋戦争開始の年、放送にも大きな変革がありました。
昭和16年の出来事をラジオ年鑑に見てみます。
(昭和23年版447ページ)
  • 日本、イタリアとの放送協定の締結
  • 海外放送、外国語放送の大幅な拡充
  • 国内放送局、中継所の大幅拡充
  • パラオ放送局放送開始
  • JOAKの放送電力を150kWから10kWに低減
  • 各中央放送局、第2放送の廃止
  • 昭和17年 
市販の受信機は原則として放送局型11号、122号、123号の3種類に限定される
  • 沖縄放送局の放送開始
  • 海外放送設備増強、使用外国語を22ヶ国語に拡充
  • 有線放送業務の開始
  • 昭和18年
  • 聴取契約者が700万を突破
  • 3月22日を放送記念日と制定
  • 昭和19年
  • 日本放送芸能協会設立
  • 有線放送業務の拡充
  • 昭和20年
  • 新潟、松山、両局を中央放送局に昇格
  • 聴取契約が500万に減少
  • 聴取料を50銭から1円に値上げ
昭和21年
  • 1月14日、日本通信機械工業会が発足。
  • 3月から認定制度の運用を再開。
終戦後約半年間の低迷期を経てからは、軍閥系の通信機器メーカーや新興メーカーがラジオ生産に参加。
  • のど自慢の放送がはじまる
  • 聴取料を1円から2円50銭に値上げ
昭和22年
  • 学校放送用拡声装置の形式を制定、認定試験を実施
学校放送一号型;出力5W
学校放送二号型;出力15W
学校放送三号型;出力30W
  • 昭和22年11月13日、日本通信機械工業会を閉鎖
  • 放送用私設無線電話規則の一部改定により、標準受信機を廃止(逓信省令第一号(23、1、8))、 代りとして2月1日から逓信省の形式試験を実施することになった。
  • ラジオ体操を廃止
  • 20の扉の放送開始
  • 聴取料を2円50銭から17円50銭に値上げ
  • 学校放送用機材の修理用として真空管を配給、3万3千本。
  • ラジオ受信機、真空管の価格が統制される。
放送受信機の統制価格
形式
製造業者
統制価格
卸売業者
統制価格
販売業者
統制価格
国民一号 1,600円 1,712円 2,016円
局型123号 1,600円 1,712円 2,016円
国民二号C型 1,600円 1,712円 2,016円
国民三号A型 1,580円 1,691円 1,991円
国民四号A型 2,165円 2,317円 2,728円
国民五号A型 1,140円 1,220円 1,436円
国民六号A型 1,590円 1,701円 2,004円
国民六号B型 1,615円 1,728円 2,035円


放送受信用真空管の統制価格
形式
一級品
二級品
卸売価格 小売価格 卸売価格 小売価格
3YP1 152円95銭 191円80銭 122円35銭 153円45銭
6ZDH3 236.45 296.45 189.15 237.15
6ZP1 163.95 205.55 131.15 164.45
12XK1 129.85 162.80 103.90 130.25
12YR1 166.90 209.30 133.50 167.45
12YL1 140.10 175.65 112.10 140.50
12YV1 171.30 214.75 137.05 171.80
12ZP1 144.35 181.00 115.50 144.80
24ZK2 169.45 212.45 135.55 169.95
UX-2A3 353.45 443.20 282.75 354.54
UZ-2A5 193.50 242.65 154.80 194.10
UZ-2A6 231.55 285.35 185.25 228.30
Ut-2A7 289.60 363.15 231.70 290.50
Ut-2B7 294.65 369.40 235.70 295.50
KX-5Z3 248.50 311.60 198.80 249.30
UT-6A7 295.70 370.80 236.55 296.65
Ut-6B7 300.85 277.20 240.70 301.75
UZ-6C6 152.60 191.30 122.10 153.05
UZ-6D6 156.35 196.05 125.10 156.85
Ut-6F7 246.25 308.80 197.00 247.05
Ut-6L6G 384.30 481.85 307.45 385.50
Ut-6L7G 384.30 481.85 307.45 385.50
UX-12A 65.50 82.10 52.40 65.70
UX-12F
(ママ)
56.75 71.15 45.40 56.90
UY-24B 156.25 195.95 125.00 156.75
KZ-25Z5 197.60 247.75 158.10 198.20
UX-26B 68.45 85.80 54.75 68.65
UX-30 61.55 77.15 49.25 61.70
UX-32 176.10 220.80 140.90 176.65
UZ-33 135.20 169.55 108.15 135.65
UZ-42 180.30 226.10 144.25 180.90
UZ-43 197.60 247.75 158.10 198.20
UY-47B 123.40 154.60 98.70 123.70
UY-56A 111.15 139.35 88.90 111.50
UZ-57A 156.25 195.95 125.00 156.75
UZ-58A 164.90 206.75 131.90 165.40
UZ-75 236.45 296.45 189.15 237.16
UY-76 113.50 142.30 90.80 113.85
KX-80 133.40 167.30 106.70 133.85
12GK10 125.50 157.35 100.40 125.90
12GK4 175.10 219.55 140.10 175.65
12GP7 175.95 220.65 140.75 176.50
12GDH4 304.55 381.85 243.65 305.50
12GC4 380.95 477.70 304.75 382.15
B-37 51.75 64.85 41.40 51.90
B-49 57.75 72.40 46.20 57.90
B-300 57.75 72.40 46.20 57.90
  • 昭和23年
  • 極東軍事裁判終了、戦犯七名の処刑
  • 聴取料を17円50銭から35円に値上げ