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1953年(昭和28年)の出来事
昭和28年2月1日にNHKからテレビ放送が開始されました。
普及型の14インチ型テレビでも値段は17万円、17インチでは23万円もしましたから、一般大衆はターミナルなどに設置された
”街頭テレビ”に群がって新しく登場した文化に触れたのです。

下の図は、この時代の小型受像機用の代表的な回路です。
テレビ受像機には当時としては最新型のミニチュア管とGT管が使われていたようですが、
大出力が必要な水平出力管には、超有名な”807”が採用されています。

  音源は放送開始50年を記念して、日本放送協会から発売されたレコードです。 

ナショナルテレビ
17インチテレビ 290,000円

ナショナルテレビ
17インチテレビ 310,000円


ナショナルではどのような回路を採用していたのか資料がないので分かりませんが
当時の回路例を見ていただきます。

回路図を読める方はアンテナの後ろに”チャンネル”を選ぶ機能のないのがお分かり頂けると思います。
この当時、複数のテレビ放送が出来るなど考えられなかったのです。

しかし時代は進み、すぐに民間放送が始まります。
この時代のテレビを購入したお客は当然ながら新しく出来た放送を受信することを要求しますが
受像機は”チャンネル”を選ぶ構造にはなっていません。

改造用の部品なども無く、部品を入手しても取り付ける場所も無く!
高価なテレビ受像機を販売した電気屋さんは改造のために悪戦苦闘したそうです。

ナショナルテレビの回路図